真面目くんがネクタイを緩めるとき
私は頷いて全速力で走り出した。
私はもう、前の自分とは違う
一人じゃないの。
走りながら梶のこと、考えた
梶のバカ
ズルいんだよ、いっつも自分だけ
人の中に踏み込んできて、
勝手にそれとなくアドバイスとかしちゃって
そういう自分は誰も自分の中に入れようとしない。
誰にも頼ろうとしないで
そんなん、平等じゃないじゃんか
私ばっかり助けて貰ってるなんて。
言いたい事は、いっぱいある。