真面目くんがネクタイを緩めるとき


何から言おう、とか考える余裕は

今の私の頭にはないけれど

河原の横の芝生沿いを歩いている梶に


言ってやるんだ。


「梶っ!!!」

私が大声で呼ぶと梶が振り返る。


私は大好きな人の元に向かって走り込んだ。


「ってぇ…、」

梶を思いっきり芝生に押し倒し、馬乗りになる私


「胡桃さん……いったいどうし……」

梶がいきなり言葉を止めたのはきっと、


私の目に涙があったから。

ポロポロと涙を零しながら責めてやる

「梶のバカ!!!

アメリカの事、どうして黙ってたのよ!」


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