【続】好きって言うまで離さねぇ。
「あ、この本の支払い済ませてきますね!」
思い出したようにそう言った果世ちゃんはレジへ向かおうとした。
「待って。それ、料理の本?」
ちょっと気になって、軽い気持ちで呼び止めた。
皐に作ってあげるのかな、とか…その程度。
「はい!侑梨に影響されて、私も料理するようになったんです」
だから、まさかそんな言葉が返ってくるとは思わなかった。
「侑梨?」
「えっ…藍河さん知りませんか?侑梨は藍河さんのために作るって言ってましたけど…」
俺のために……?