【続】好きって言うまで離さねぇ。
「それは……」
「藍河財閥にお嫁に行く、ということね」
結婚、って身近なようで私達にはまだ縁がないものだと思ってた。
それが、こんな形でこんなに早く来るなんて思いもしなかった。
「私達もまだまだ働けるからね!………だから」
言葉を詰まらせたお母さん。
その頬には涙が流れているように見えた。
「侑梨には寂しい思いをさせるけど、勝手なお父さん達を許してくれるか……?」
後を引き継ぐように、お父さんがそう言った。
───寂しい思い。
それは小さい頃、イヤなくらい経験した。
でも……