【続】好きって言うまで離さねぇ。
春ってワクワクするんだ。
寒い冬が終わって環境が変わって新しい生活が始まるから。
でも──…今年は違う。
楽しみでも何でもないんだ。
「黙っちゃってどうした?」
冬哉が私の顔を覗き込んできて、ハッと意識を戻す。
「いや……こうやって一緒に登校出来るのもあとちょっとだなって思って…」
「………」
「冬哉が卒業しちゃうなんて寂しいなーって…」
………ん?
無言ですか?
私が俯いていた顔を上げると─…