【続】好きって言うまで離さねぇ。



「旦那様、奥様。お車のご準備が整いました」


ドアが静かに開いて、坂井がうやうやしく頭を下げた。



お父さんは資料か何かを鞄から取り出して、それに目を通しながら出ていった。


お母さんもキャリーバックをゴロゴロと引いて出ていく。



「元気にしてるのよ!お土産買ってくるからね♪」

「はーい!お母さんもね!」


最後に優しい笑みで頷いたお母さんが、ドアの向こうに消えた。



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