止まない雨はない
それなら、この後も一緒に過ごそうとおもっていた矢先・・・

最悪な状態になった。



覚えのない女が俺に話しかけてきたのだ。

俺の名前を知っているようだが、俺は記憶がまったくない。

こんな女俺は相手にしていたのだろうか・・・

明るい日差しの下で見るその女はあまりにも彼女とは違い、

夜が似合う女だった。


俺が言葉を発していない間に彼女はじゃあこれでと逃げるように俺の前から消えていった。


なんだ・・・この喪失感は・・・


俺はやり場のない怒りを目の前の女にぶつけるしかなかった・・・


「あんた誰?」


「ちょっと・・・それってひどくない?
 あの夜はあんなに大事にしてくれたのに・・・」


俺は女を大事にした覚えはない。

大事にしたいと思ったのはゆり彼女だけだ。




「何言ってんの?散れ・・・二度と呼びとめるな。目障りだ」


俺は、言うだけ言ってそのままその場を後にした。

女がなんかほざいていたが、そんなのしったこっちゃない。

今は、彼女の事だけで頭がいっぱいだ。
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