止まない雨はない
俺はカッとなった。

すぐに彼女の元に行き声をかけた。
すると彼女は安堵した表情を見せ、そのあと意識を失った。

俺は、彼女の体を抱きしめ、不安にさせたことを後悔した。

俺が時間通り来ていれば…

そんなことを思っている俺に目の前の男はわけが分からない事を言い出した。


「この子、俺のほうが先に見つけたんだから、返してよ。」


こいつは馬鹿か?人のものに手を出してただで帰れると思っているのか?


「お前は馬鹿か?人のものに手を出しておいて、何をほざいている…
 彼女のこの腕赤くなってるな…傷害、そして彼女を連れて行ってどうしようとした?
 婦女暴行未遂か?
 貴様…俺の命に手を出してただで済むと思っているのか?」



俺の言葉に目の前の男は言葉を失っているようだった。
俺はさらに言葉をつづけた


「命が惜しければ、すぐに消えされ!
 そして、二度と俺たちの前に顔を見せるな。」


その言葉にその男は、消えていった。

逃げていく男の姿を目の端に見ながら、俺は腕の中にいるいとしい彼女を抱きあげた。
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