止まない雨はない
「言いたいことは分かるが・・・
 とにかく、彼女の家族をここに呼んでくれ。
 こちらから呼んでも構わないが、恭哉は知っているのだろう。」


そう言われて、俺はうなずくしかなかった。

彼女の病状一つ、俺は説明してもらえない立場なのだと…
唇をかみしめた…血の味がした…


そして、俺は浩介に電話をかけた。


「おー恭哉。お前おっせぇーよ。」


浩介の第一声に俺は今日待ち合わせをしていたことを思い出した。


「すまん。忘れていた…
 浩介、すぐに〇〇総合病院まで来てくれないか?
 ユリちゃんが倒れたんだ。」


「どういうことだ。ゆうになにがあったんだ?」



「すまない。今それをゆっくりと話すことはできないんだ。
 医者から家族を呼んでくれと言われた。
俺には話ができないのだろう…」



俺の声は震えていたのだろう。

浩介は一言「分かった」と言って電話を切った。

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