止まない雨はない
かおりは心配ではないのだろうか?彼女が倒れたのだ。それなのに…


「かおりは心配じゃないのか?」


「もちろん、心配よ。でも何となく分かるから…」


かおりはどこか遠くを見ているようだった。
この目は前に一度見ていた。彼女の辛かったことがあると話していた時の…


もしかしたら、今回の事は彼女の昔に関係しているのだろうか?


俺はそんなことを考えながら、彼女が今横になっているであろうドアの向こうに目をやった。
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