止まない雨はない
私は仕事のお昼休みにかおりちゃんに電話をして、仕事終わりに会う約束をした。

もちろん、恭哉さんにも連絡をいれた。


「俺のゆりを独り占めするのか・・・かおりの奴・・・」


電話口でそんなことを言っていたけど、聞こえないふりをした。





仕事終わりにかおりちゃんにあって、今までの私の悩みを話してみた。


「そっか。そうだよね。分かるよ、心配になるよね。
 でも、恭哉はそんな男じゃないよ。
 ゆうちゃんと付き合う前の恭哉なら考えられなかったけど、今の恭哉なら何もないと思うよ。

 大人の関係になるってことは、その・・・ゆうちゃん大丈夫なの?」


『・・・不安なんだけど、心配なんだけど…それでもかおりちゃんが言っていた言葉を信じてみたい。』


前に、かおりちゃんに過去の話をしたとき、

本当に好きな人と結ばれることは痛みよりも幸せが先に実感できるって・・・



「恭哉も少し臆病になっているところもあるからね…
 本当にゆうちゃんが好きで好きでたまらないのね…」


私は、かおりちゃんに話をしただけで、本当に楽になった。



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