止まない雨はない
その時、私は二つの誤解に気がついた。
一つは、“ゆり”と言ったのは、私を呼んだのではなく、
ユリの花をほしい言うこと

そして、この男の人は、私が店員さんだと勘違いしていること。


『あっあの…私、お店の人じゃなくて・・・』


私はそういうのがいっぱいだった。
名前を呼ばれたのかと思って答えてしまったこと。
勘違いしたことが恥ずかしい・・・

きっと顔は真っ赤だろう。
私は入ってきた男の人の顔を見ることができず、下を向いたままだった。
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