止まない雨はない

そんな中、奥からもう一人の女が出てきた。
そして、こう告げた…


「お客様・・・こんな感じでよろしいでしょうか？
　あっ。いらっしゃいませ。少々お待ち下さいね。」


その言葉を聞いて、俺は目の前にいる女が店員ではなく、
客だったことに気がついた。

きちんと見れば、店員のかっこはしていない。
良く似合うワンピースを着ていて、
そこから見える手足の白さにまずは目がいった。
そして、顔を見てみると真っ赤だった。


そこで、俺はさっき俺が「ユリ」と言ったことで反応したことを思い出し、
目の前の女がゆりという名前なのではないかと思った。


そして、この反応があまりにも新鮮で…
人生で初めてかわいいと感じた。