止まない雨はない
今日は事務所近くにある、大手企業の顧問弁護士を武田が引き受けたために出かけている。
武田の親父さんがずっとやっていたようだが、年齢的に辛くなり、息子に担当を変わったようだ。
武田の親父さんも弁護士で、これを機会に隠居をしたいということだった。



武田が出かけた後、俺は机で書類をまとめていた。



ｺﾝｺﾝ
「はい。どうぞ。」


「望月先生。すいません。あの、武田先生がこの書類をお忘れなのではないかと思いまして…」


事務の女の子が持ってきたのは確かに今回の契約に必要な書類の一つだ。
まったくあいつはどこか抜けている。
負け知らずの弁護士なのに…こういうとこのの詰めが甘い。


「分かった。私が持っていくから…　少し席をはずす。」


俺は事務にそういうと、書類をかばんに入れ、事務所を後にした。
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