その羽で、
「……あんた、魔法使いかなんかか?」


「………はっ?」


「だってそうだろ?言葉だけで相手を傷つける……毒舌って意味でもなさそうだしな。それに、あんたの顔を見りゃ分かる」



確かに、羽須美は魔法使いだ。
それも選ばれた存在である。



「そうだ、傷の手当ても兼ねて話でもすっか。なんつーの?カウンセリングまがい的な?」



そう言ってニヤリと笑う少年に待ったをかける羽須美。



「い、や。いやいやいやっ!お前傷の手当てとかカウンセリングとか……一体なんなんだよッ!」


「? そこまで言ったら分かるだろ。

俺は【ユウ】。名字は……まぁ、いっか。教えなくても。見た通り、医者だ」



そう言って立ち上がる少年・ユウは白衣を着ている。しかし、それよりも先に目がいってしまうのは……



「医者のくせに、金髪?」



きんきらきんに染められた金髪。目が焦げ茶だというからどこぞのチャラチャラした奴かと思えば、医者とな。

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