その羽で、
「これは俺の大事な人と決別するために染めたようなもんだ。あんま気にすんな」



いや気にするわ。


ついツッコミそうになった羽須美であった。



「で、あんたの自己紹介はなし?」


「…………。俺は、【羽須美 狩人】(はすみ かりゅうど)。

お前の言った通り、『防御』の魔法使いだ」



そして右手に巻かれた包帯をシュルシュル解いていく羽須美。


その甲に描かれていたのは【 ll 】の文字。



「………なんだ、『防御』の方か」


「あ?なんか言ったか」


「いや何も」



その後すぐにまたユウが、「あいつの言ってた魔法使いとは違うってか」と呟いていたことを羽須美は知らない。

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