その羽で、
「そりゃ違うだろ」



羽須美の言葉を遮るハスキーボイス。

その声の持ち主は辛口医者・ユウである。



「相手が傷つくのが辛いだと?甘えよ。そーゆう連中にゃあ痛い目見てもらう方が一番だろうよ。

あんたはその自己犠牲で満足か?その犠牲であいつらはつけ上がっちまうんだよ。そんで被害はあんただけじゃなく他の一般市民にまで広がる。

あくまで可能性。だがそうも考えられるだろ?あんたはソレで満足だとしても、あいつらが満足すると思うか?ん?

第一、あんたが傷ついてなんになる。あんたが傷ついて誰も悲しまないと思うか?ふざけんな、阿呆。

あんただって、誰かに必要とされてるだろうよ。自覚がなくてもな、結局人間と関わりを持った以上、あんたにだって価値がつくんだよ。

選ばれた時点で、あんたにゃそれなりの価値があるってもんだ」



ところどころ辛辣な辛口評価を受けながらも、『防御』の魔法使いこと羽須美(はすみ)はそれでも、と言葉を続ける。

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