その羽で、
そのえぐられた部分からは、ぐじゅぐじゅに腐った肉、内蔵、蝕まれた白骨。いや、もはや茶のかかった骨か。



「人間じゃなくてゾンビ。ああでも、人造なんだけどな。だから日光は大丈夫……まあ、どっちかっつーと夜間の方が落ち着くが」



ゾンビ。


その正体に若干引いた羽須美だったが、それがなんだ。


俺だって、人外だ。
なにを恐れる必要がある。


こいつだって、好きで腐敗人種になったわけじゃないんだろうから。



「なあ、羽須美。あんたは自分が魔法使いで、『防御』だったことを後悔してるのか?」



唐突に、されど真摯な面持ちで尋ねてくるユウに一瞬羽須美は戸惑った。

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