その羽で、
以前の俺なら迷いなく『当たり前』だと答えただろう。


だけど、



「………。」


「? 羽須美?」



あの少女に出会ってから、なぜだか少しだけ心変わりしたんだ。



『防御のお兄さんっ』

『あははっ!ボクと一緒に遊ぼうよ!』

『ボクは外に出ちゃだめ?』

『あぁホントはこんなことしたくないのにいやだイヤだ嫌だー!!』



もし、俺が『防御』の魔法使いなんかじゃなかったら。


俺はあいつと出会えていなかった。


だとしたら、



「後悔……、してねぇよ」



あいつ(『破壊』)だけじゃない。


俺は『否定』にも会うことができたし、『欲望』にも会うことができたし……


なにより、

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