その羽で、
「俺は【白石ユウ】、つまり『白』だ。ああ、なに関係ないこと言ってんだって顔してるな。

そうじゃねえ。俺じゃなくて、『黒』が『破壊』を知ってんだ。名前はミチル。ちょっとした殺したがりさ」



殺したがりが知り合いって。
それ医者としてどうなんだろうと思ったが敢えてスルー。



「その『黒』が……イヴを知ってんのか?!なあおい、今そいつはっ、イヴは元気なのかっ?!」



最近コーヒーが苦く感じたのは、これのせい。『防御』のくせにあいつを、イヴを救えなかったから。



「へぇ、そいつの名前、イヴっていうのか」


「今はんなことどーでもいいだろッ!それよりアイツは………「さぁ、知らねぇよ」


「はあ?!会ったんじゃねえのかよ!」


「だあああからああ、俺じゃなくてミチルが会ったんだよ。

ああでも、ミチルも言ってたぜ。


『あの子とアタシは似ているんだよね。だから、どうしようもない快楽の後悔が分かるんだ。

でも、アタシはあの子を救ってあげられなかった。……あひゃっ、なっさけねえー』ってな。


ほんと、イヴってのは不思議なやつだな。こうも性格の違う奴を、似ている奴を惹き付けちまうんだから」

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