ポチ先輩の裏の顔。
「せ、先輩…ポチ先輩た、すけて…」
怖いっ…!!!
ガチャンッッッ
するといきおいよくドアが開いた。
眩しさが私を混乱させる。
「ッ…」
「おいっ!!沙帆っ…大丈夫か!?」
抱き抱えられる感覚が私を楽にさせた。
「ポ、チ…先輩?」
眩しさで目がやられて顔がよく見えない。
しかし先輩の名前を口にしたとき顔が歪むのがわかった。
「沙帆…」
ああ、そっか。
この声は、ずっと小さい頃から聞いてきた声じゃん。
「翔……太…」
私は翔太に抱きつくと自然に涙が溢れた。
「うっ…翔、太ぁ…翔太ぁぁ…!!グズッ…」
「ごめんな。もっと早くに来てやれなくて…」
見なくても翔太の寂しそうな顔がわかった。
「ううんっ……ううん…ありがとうっ………」
「…ッ。とりあえず、ここを出るか……」
「立てるか?」と優しく声をかけてくれた翔太は
かっこよく見えた。
そこで私の意識は途切れた____。