ポチ先輩の裏の顔。
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ピンポンパンポーン....
『お昼の放送を始めます。はじめまして。今日の担当は1年生、赤城沙帆がお送りいたします』
一年前。
初めてその声を聞いた。
透き通るような声。
その時俺の頭に<赤城沙帆>という名前がしみついた。
「一年の沙帆ちゃんって可愛いよな」
なんて二年の間でも少し噂になってた。
移動教室の時廊下でたまにすれ違う時もあった。
透き通るような白い肌。
きれいな瞳。
可愛い顔立ち。
噂になるのも分かるなって思った。
「はぁー....」
「なんだよ、太一。ため息なんかついてよー。
なになに?恋愛とか?」
今も変わらない竜也とは二年のころも同じクラスで仲が良かった。
「はぁ...?俺が恋愛とか。ねぇわ」
竜也の前ではいつも素でいれたから楽だった。
「あーあ。可愛いポチちゃんとは真逆ですね。太一くん」
「うっせ」
俺が赤城沙帆を気になる理由ーー...。
一目ぼれ?
まさかな。