...Melting Love...―愛檻―


「生きてるって、協会に知らせた方がいいんじゃないの?
15年も経つのに、こんな風に手紙が送られてくるくらい必死みたいだし。
そもそも、ハンターに誘拐されたんでしょ? なんでノンキに大学生活送ってるの?」
「誘拐ね……。協会らしい判断だ」
「え、違うの? じゃあ、なんで……」
「亜姫。昼間の約束、忘れたわけじゃないよね?
俺が質問にひとつ答えたら、亜姫も答える。そういう条件だったハズだけど」

私の質問攻めを遮った二楷堂が、スっと立ち上がる。
それだけでドキっとしてしまった心臓を抑えながら、顔を背けた。

「だから、それ、いつまで続けるの?」
「俺、一度した約束は敗れない性質だから。
だから亜姫も諦めた方がいいよ」
「どういう意味?」
「自分が約束を守る分、相手が破った場合、簡単には許せないから。
約束を破った場合は、キツいペナルティーが待ってるって思ってもらえればいいかな」



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