...Melting Love...―愛檻―


よく話す男子に少し嫌気が差してきて、返事をするのも面倒になる。

カフェテリアは諦めて購買にパンでも買いに行った方がいいかもしれない。

ベラベラと男子が話してる間にそういう結論に至って、会話の途中だけど歩き出そうとした時、影が落ちた。

「――俺がいないところで、亜姫に悪口吹き込むなんて、フェアじゃないな」

二楷堂はにこって笑った後、私を隠すみたいに、男子との間に割り込んだ。

「二楷堂……麻理たちは……?」
「ああ、やっぱりあの子たちは溝口の差し金だったんだ。
やけにしつこくて振り切るのが大変だったけど……。
俺を足止めさせておいて亜姫に近づく作戦だったとか?」
「……べ、別にそんなんじゃねぇし。
つぅか、同じ大学なんだし、交流したってなんの問題もねぇだろ。
おまえが水無月さんを独り占めできる権利もないし、いいだろ」

私の位置からじゃ二楷堂の背中しか見えないけど、溝口くんが焦ってるのは声だけでも分かった。

つまり図星だ。





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