...Melting Love...―愛檻―


「それ以外にも、何か噂があるの?」
「いや、ないと思うよ。
でも、ハンターに動きがあるのは事実だから、気をつけた方がいい。
ハンターの動きがなくならない限り、危険なヴァンパイアが野放しになってるって事だから」

誤魔化されたような気がした。

二楷堂は、多分他にも何かを知ってる。
私には知られたくないような事を。

でも、聞いたからってはぐらかされて終わるのは分かってるから、消化不良のままため息を落とした。

再び歩き出すと、二楷堂も横に並ぶ。

「もしかして、美音も疑ってる?
私に近づこうとすると二楷堂にいつも邪魔されるって言ってたけど……」

聞いた時は何も思わなかったけど、もしかしたら二楷堂が故意に邪魔してたのかもしれない。
美音の気配に、二楷堂が気づかないハズがないから。

予想通り、二楷堂は微笑んでそれを肯定した。





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