...Melting Love...―愛檻―


「お茶でもできないかと思って……。
少しなら時間あるでしょ?」
「ないです。色々したい事がありますし。
それにあなたの目的はお茶じゃないでしょう?
本当の目的を言ったらどう?」

はっきりと断った私を見て、男の顔から笑みが少し消える。
そして荒い呼吸を繰り返しながら、私の身体をつま先から頭のてっぺんまでを見る。
なめまわすようにねっとりとした視線で。

「話が早くて助かるなぁ。気づいてると思うけど、今、血が欲しくてね……。
少しもらえないかと思って」
「同族から血を巻き上げる気? 私もヴァンパイアだって、そっちも気づいてるでしょ?」
「もちろん知ってるさ。
しかも王家の血が混ざってる……。たまらない香りがする」

今にも手を伸ばして襲ってきそうな男を前に、どうするのがベストかを考える。



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