...Melting Love...―愛檻―
そう言った後、二楷堂は少し自嘲するように笑った。
「多分俺、亜姫に狂ってるんだろうな。
昼間の男を見た時も一気に血が上って気づいたら威圧してたし。
もしも相手が人間だったら殺してたかもしれない」
物騒な事を言いながらツラそうに歪んだ微笑みを浮かべた二楷堂。
そんな顔を見ていられなくて、二楷堂の頬にそっと手を伸ばした。
自分への呆れの色を浮かべる瞳が私を捕える。
「襲う時は二楷堂を襲うって約束する。一番おいしそうだもの。
それに……今はお腹いっぱいだからしばらくは大丈夫そうだし」
二楷堂はふっと微笑んで、自分の頬に触れる私の手を、上から覆うようにして握った。
「亜姫の理性がなくなるまで様子見て、頃合いを計ってたから。
亜姫が遠慮せず欲しがってくれないと俺がいくら送ったところで吸収してくれないからね」
「……だからあんなに長かったの?」