...Melting Love...―愛檻―


「協会、今から行くの?」
「ええ。先延ばしするつもりもないわ。
一刻も早く亜姫ちゃんを野蛮な男から離したいし」
「じゃあ私も行く」

どんな判断が下されるかは分からないけれど、どうしてもその場にいたかった。
何も知らないまま二楷堂に何かがあったら絶対に嫌だから。

「協会に行くのよ? 分かってる?」

美音が確認するように言うのは、私が協会を嫌っているのを知っているからだ。

協会に呼び出されたりすると、数日気持ちが落ち込んでしまって会話すら難しい状態になってしまうのを知っているから。

そんなに嫌な場所に自分から行くなんて正気?そういう意味だ。

「分かってる」
「……そんなにあの男が心配なの?」

靴を履いていると後ろからそんな声が聞こえてきて。

「心配だし大事」

私の答えを聞いた美音は、おもしろくなさそうに眉をしかめた。






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