...Melting Love...―愛檻―
「生意気になったものだな……。
美音、報告があると言っていたな。話せ」
会長に言われて、美音が背中を伸ばして「はい」と話し出す。
「水無月亜姫に近づく男の事で報告があります。
確定ではありませんが、普通の人間ではなく、恐らく……ハンターではないかと」
会長は表情を変えることなくそれを聞き、少し黙ってから私に視線を移した。
「ハンターと知りながらも深い関係になったのなら、問題になるのは覚悟の上か?
それ以前におまえには友人関係すらも許していないはずだがもう忘れたか?」
「協会としては返って都合がいいのでは?
毎月、ハンターと結婚するようにと強制する内容の書類を送りつけてくるほど、私をハンターに押し付けて厄介払いがしたかったんでしょう?」
「――美音、下がれ」
色々知られてはマズイと思ったのか、会長が美音に退室を命ずる。
美音は少し何かを言おうとしたけれど、諦め、私にホールで待ってると告げて部屋から出た。
バタンとドアが閉められてその音が響き終わると同時に、会長が笑う。