...Melting Love...―愛檻―


「厄介払いとは、大した想像力だ」
「今まで受けてきた扱いから考えれば、そうとしか思えませんが」
「私は君に、ハンター側と歩み寄るきっかけになって欲しいと思ってるんだよ」
「そうでしょうか。
私には、母が命を落とした本当の理由を知りたがっている唯一のヴァンパイアである私を、ヴァンパイア界から遠ざけようとしているとしか思えませんが」
「黙れ。口が過ぎる」

今まで余裕を浮かべていた会長の顔に少しの苛立ちが見え始める。
図星って事なんだろうか。

会長は威嚇するように私を睨みつけてから、机の上に置いてある書類を見るように命令した。

「そこまで急ぐつもりもなかったが、おまえがそれほどまでに私に刃向うのであれば仕方ない。
本格的にハンターとの結婚の準備を進めるとしよう」
「なんですか、この書類……」
「書いてある通りだ。
その書類にサインしたら、ハンターと結婚し、おまえはヴァンパイア界から除名される。これ以降、ヴァンパイア界の事に対して発言する事は許されない」


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