...Melting Love...―愛檻―
◇揺るぎない愛しさ



二楷堂に連れられるまま部屋を出てから驚く。
部屋の前には10人くらいの人が集まっていたから。

美音を含めたヴァンパイアも何人かいるけれど……他の人はみんなハンターみたいだった。

「聖様、お話は無事済んだでしょうか。
こちらの美しい方が例のお譲さんですか?」

50代くらいの男性に言われて、二楷堂は苦笑いをもらした。

「いつも通り頼むよ。正志さんにそんな態度取られるとどうしたらいいのか分からなくなる。
亜姫、こちら神田正志さん。俺を拾って育ててくれたハンターだ」
「あ……初めまして。水無月亜姫です。
15年前……二楷堂を救ってくれてありがとうございました」

頭を下げた私を、正志さんが笑う。
顔を上げると、正志さんが照れた顔で笑っていた。

「いや、とんでもない。
聖は俺が放っておいても勝手に育ったから、苦労も何もしてないんだ。
なんでも一目惚れした女の子を守りたいがために必死に大人になろうと頑張ってたみたいで……」


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