...Melting Love...―愛檻―


「でも……ずっと協会からマインドコントロールを受けていたんでしょ?
それなのに美音の事をすぐ信じたの?」
「惚れた女の言葉は別って事なんじゃない?」

妖美に笑う美音が私の前まできて止まる。

女の私でもあてられてしまいそうな色香をまとう美音に、ロビーにいる人たちの視線が集まっていた。

「惚れた女って……」
「何度か行くうちにそういう事になっちゃって。
紅月様が入れ込んでくださったから、私の言う事を聞かせるのは簡単だったわ。
何も知らない協会側は、紅月様の考えが急に変わったから焦ってたみたいだけど」
「あ……! しばらく前に協会が焦ってるって言ってたのはそれが原因なの?」
「それもあるかもしれないけど、あの時の事はハンターが原因よ。
ハンターが近日中に強硬手段に出る宣戦布告をしたからだって話だけど……。
それは、王子がよく知っているんじゃないかしら」

咄嗟に隣を見ると、二楷堂が頷く。



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