...Melting Love...―愛檻―


「もちろん、男に亜姫の特別な姿を見せるわけにはいかないから、覗いてるのが男だったら中断したけど、彼女だってすぐ分かったから」
「美音だって分かったからってなんでやめないの?! あんな事してるの見られるなんて男女関係なく嫌に決まってるじゃないっ」
「亜姫には言ってなかったけど、元々俺は亜姫と美音さんの関係はあまり面白くなかったんだ。
亜姫に一番近づいてるのが美音さんだったから、ふたりの関係には多少嫉妬してた。
だから見られてるのが分かった時、見せつけるチャンスかと思って……亜姫、ごめん。悪かったって」
「もうそんな趣向の人とは絶対にしない」

本気で言ったのに、二楷堂はやれやれとでも言いたそうな微笑みを浮かべるだけで本気には取っていないようだった。
きっと、その場になればどうとでも流せると思ってるんだろうし、実際本当にそうなりそうだから嫌だ。

結局私は二楷堂を好きだから、謝られれば許しちゃうし、身体だって……許すんだと思う。
好きっていう、揺るぎない気持ちがある限り何度も。

持て余すほどの二楷堂への気持ちが憎くて……愛しくて仕方ない。






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