...Melting Love...―愛檻―
昨日に続いて今日もだなんて、精気は足りても身体が持たない。
だけど二楷堂はまだもろもろと有り余っているようで、続行するつもりなのか耳や鎖骨にキスを落とすから、手で軽く押して止める。
王家のヴァンパイアってみんなこうなんだろうか、と考えて、紅月様と関係を持ったっていう美音の顔が頭に浮かんだけれど……。
比べても時間の無駄だとにならないと諦める。
美音もこの事に関しては常軌を逸してるから。
「美音があそこまで思って行動してくれてるなんて思わなかった」
続きを諦めたのか、隣に横になった二楷堂が私の髪を撫でながら微笑む。
「俺もまさか紅月さんに近づいてるとは思わなかったから調べて驚いたよ。
おかげで助かった。
紅月さんが完全に協会側に立っていて王位継承に拘っていたとしたら、こうすんなりはいかなかったから。
いい友達だな」
「少し自由すぎるけどね。自分の外見の良さを分かってるからすぐその辺の男を惑わすし。
今日、ロビーにいたハンターの人も釘づけだったし、注意した方がいいんじゃない?」
さすがにハンターが美音の色気に参って血を吸われるなんて事はないだろうけど、一応注意だけすると、二楷堂が笑う。