...Melting Love...―愛檻―
「一応そうするよ。これからヴァンパイア界と関わっていくのにその度に色香に酔っていたんじゃ大変だ。
まぁ、美音さんならうまくやりそうだしそこまで注意も必要なさそうだけどね」
「それが問題なんじゃない」
「今日話してみて分かったけど、頭がいいから自分が不利になったり後で面倒になったりする相手は選ばないと思うよ。
紅月さんの件だって、亜姫の事があったからで、それがなかったら関係なんて持たなかっただろ」
「私のために好きでもない人と関係を持つって、どんな気持ちだったんだろう……」
呟くように言った私を二楷堂が見つめる。
「私はこういう事……好きな人としか考えられないから、美音の気持ちが分からなくて。
後で後悔したりする事にならないかな……」
「俺も亜姫と以外考えられないから美音さんみたいに性に奔放な子の気持ちは分からないけど……。
でも、美音さんが決めて行動した事だ。きっと美音さんは自分の行動のおかげで今回すべてがうまくいった事に満足していると思うけど、気になるなら後でちゃんとお礼を言えばいいよ。
美音さんは本当に亜姫が好きみたいだから」