...Melting Love...―愛檻―
今まで自分の事ばかりに必死だったから、美音と一緒にいた時間は長かったけれどあまり美音に対しての興味はなかった。
美音だって、協会に言われたから私の傍にいるだけだと思っていたし、だから邪険に扱ったりもしていたかもしれない。
そんな私を美音は好きだと言って、ハンターとの結婚を阻止しようと危険を犯してまで独自に動いてくれたんだから、きちんとお礼を言うべきだ。
「もう少し美音の事知ってみようかな」
二楷堂は微笑んだけれど、それを少し面白くなさそうに崩して言う。
「仲良くなるのはいいけど、感化はされないように。
亜姫の事を考えてくれるし悪い子じゃないと思うけど……あまり亜姫に影響が出ると困る」
「夜な夜な男を物色しに出かけるようになったら困る?」
「恋人がそんな事をして困らない男はいないよ」
「でも二楷堂は何でもすぐ気づくから、私が美音に感化され始めた時点で美音と会う事を禁止しそうだけどね。
部屋に繋がれそう」
繋がれそうってところは冗談で言ったのに、二楷堂はそれを肯定したように意味深に微笑む。
協会のロビーで話していた時、檻がどうのって言っていた事を思い出して少し血の気が引いた気がした。