...Melting Love...―愛檻―
「まぁ、いいわ。また誘いにくるし。
あ、あとね、ハンターに動きがあるらしいから、一応気をつけてね」
「ハンター? だったら美音の方が気をつける必要があると思うけど」
ハンター。
正式な名前を、“ヴァンパイアハンター”。
つまり、ヴァンパイア専門の警察ってところだ。
人間でありながら、血筋のせいか、ヴァンパイアと匹敵するほどの力を持つ。
それは、単純に“力”だけじゃなく、五感に関しても同等。
ヴァンパイアとして生まれた者はみんな、ハンターは敵だっていう風に教え込まれるけど、実際どうなのかは知らない。
でも、行き過ぎてるヴァンパイアを止めているって話は聞くから、私からすると正義に思えなくもないんだけど。
――ある、一つの事件を除いては。
「私は上手くやってるから大丈夫よ。
みーんないい思いした後、ちょこっと血を抜かれてるだけなんだから、誰も不満には思ってないハズだしね」
美音のいう“いい思い”の意味が分かって、ため息をつく。
つまり、身体の関係になってから、吸血行為に及んでるって事。