...Melting Love...―愛檻―
「相変わらずで呆れた」
「あら、健全じゃない。私も亜姫ちゃんももう19だし、普通の事でしょ。
それに、セックスすると精気も少し吸い取れるし。
血を吸うのとは比べ物にならないけどね」
「え……じゃあ、例えばキスだけでも吸い取れるものなの?」
二楷堂の事があったばかりだから、少し声が大きくなる。
そんな私の変化を勘違いした美音は、唇に人差し指を当ててにっこり笑った。
「さぁね。興味が出てきたなら自分で試してみたら? 亜姫ちゃんだったらどんな男だって落とせると思うから。
必要なら、今度私が男捕まえてくるから試してみる?」
「……美音に聞いた私がバカだった。
それに、もう美音と一緒に行動しないって言ったでしょ」
「そうだったっけ。忘れちゃった」
「話が終わったなら帰って」
「はいはい」
美音は立ち上がって玄関まで行くと、くるっと振り返る。
そして、「でもね、亜姫ちゃん」と、忠告するように言った。