...Melting Love...―愛檻―
『俺は、亜姫にだったら何されても嬉しく思えるから。
――例え、この身体に流れる血すべてを、吸いつくされたとしてもね』
それは……数日前、私の部屋で二楷堂が言った言葉。
「あの言葉……私がヴァンパイアだって知っててあんな事言ったの?」
私の問いに、二楷堂はにこって笑うだけだった。
「知ってて、あんな事言うなんて……」
身体に流れる血すべてを、なんて。
そんな事をヴァンパイア相手に言うなんて……まるで、自殺行為だ。
私だって、他のヴァンパイア相手じゃ怖くて言えないような事を、二楷堂はあんな簡単に言ったの……?
「好きだから。
亜姫にだったら何されてもいいよ」
今までは、気まぐれで付きまとわれてるだけかと思ってた。
普段モテるから、私みたいになびかない女が珍しいだけなんだろうなって。
脅して、私の反応を見て楽しんでるだけかもしれないって。
軽い気持ちだって、決めつけてた。