...Melting Love...―愛檻―


「や、なに…」
「性欲が高まるのと同時に、本能でもある吸血衝動は強くなるって話、覚えてる?」
「え……?」
「亜姫が素直になれるか、試してみようか」

二楷堂が唇で触れた鎖骨に、ぴりってした痛みが走る。
確認しようとして……私の胸のあたりにいる二楷堂と目が合った。

にって笑う二楷堂は、いつもの二楷堂じゃない。
いつもの優しい笑顔とは違う、イジワルな笑みを向けていた。

動き続けてる右手が胸の形を確かめるみたいに撫でるから、恥ずかしくなって目を逸らす。

「もし、吸いたくなったら吸っていいよ」
「そんなの、ならない……やっ、やだ、二楷堂……っ」

二楷堂の指に反応して思わず声が出る。
そんな私を見て、二楷堂は嬉しそうに口の端を上げた。

「本能を隠さないで、亜姫。抑えないで大丈夫だから。
全部、俺に見せて」




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