...Melting Love...―愛檻―
二楷堂の言葉は、まるで私が本能を暴走させないようにと心を囲った檻を溶かすように入り込む。
なんで二楷堂は……いつも私を分かってくれてるような事ばかり言うんだろう。
私が心のどこかで本当は望んでいる言葉を、くれるんだろう。
服の中に入り込んできた二楷堂の手が冷たい。
「んん…っ、ん……!」
再びされたのは、さっきとは違う押さえつけるようなキス。
荒々しいキスは苦しいくらいだ。
なのに。
とっくに二楷堂に堕ちてる私の身体は、それさえも嬉しさだとか甘さに勝手に変換して脳に伝えてた。
ヴァンパイアの基礎体温は人間よりも低い。
だから、二楷堂の手を冷たく感じるのは、私の身体が火照ってるって事。
私がろくに抵抗できない状態なのが分かったのか、二楷堂が押さえつけていた手を離す。
そして、肌に唇を這わせた。
手と同様、私よりも少し冷たい唇と舌。
冬の季節はもうとっくにすぎたのに、二楷堂はなんでこんなに冷たいんだろう。