...Melting Love...―愛檻―
ぞくぞくしたすごく弱い電流みたいながモノが背中を走り抜けて、腰の辺りから脱力感が広がっていく。
そのまま足から崩れ落ちそうになった私を、二楷堂の膝が止めた。
「亜姫はすぐに立っていられなくなるね。
先週、亜姫の部屋でキスした時の事、覚えてる?」
……覚えてる。
あの時、私は抵抗らしい抵抗もしないで二楷堂に夢中になって……そして、今も。
二楷堂から感じる、絶対的な存在感と、抗えない魅惑的な雰囲気。
それが、私の虚勢を取り払って本能を誘い出す。
ぐって、手を一括りにして頭上で押さえられる。
拘束するわけじゃなくて、私が崩れ落ちそうになるのをそこで支えてるみたいだった。
すごい力……。
利き手じゃない、左手だけで私の重さを軽々と支えるなんて……。
ぼんやりとそんな事を考えながら見ていた私に、二楷堂が微笑む。
「俺が欲しくなった?」
そう問われて、この行為の意味を思い出す。