形見
楽しかった。
年は離れていたけれど、友達になれた気がした。
楽しくて楽しくて、日が暮れたのにも気付かなかった。
それに気付いて、慌て帰る、と言ったら、十希は笑って首を振った。
それから七年、要はこの屋敷から出ていない。
「要、ごはん持ってきたよー」
部屋の外から声が聞こえて、要は障子を引いた。
「お、美味しそう」
この屋敷の食事は、薄味だが食材の味がしっかり分かるのでとても美味しい。
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