形見



楽しかった。



年は離れていたけれど、友達になれた気がした。





楽しくて楽しくて、日が暮れたのにも気付かなかった。



それに気付いて、慌て帰る、と言ったら、十希は笑って首を振った。













それから七年、要はこの屋敷から出ていない。



















「要、ごはん持ってきたよー」



部屋の外から声が聞こえて、要は障子を引いた。



「お、美味しそう」



この屋敷の食事は、薄味だが食材の味がしっかり分かるのでとても美味しい。



< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop