アフター・スターマイン
 


「えっと、リコとか美優とか、……あ、山部くんとか斉田くんたちにも会ったよ」

中学高校で仲良くしていた人の名前をいくつか、彼らの近況報告も交えて話して聞かせると、
吾妻くんは脱力したようにくるりと椅子ごとこちらを向いて、

「やっぱ行かなくてよかった……」

ほっと息を吐きました。

……いや、よくないでしょ。

「なんで? 皆吾妻くんに会いたがってたのに」
「だって、」
「だって?」
「……お前と付き合ってんの、バレるだろ」
「……あー、」

なるほど、そういえば。
元々喧嘩が日常茶飯事だった私と吾妻くんは。

去年付き合い始めた頃、冷やかされるのが嫌だから彼らには黙っておこうと約束していたのでした。


 
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