After the rain
そしてその目は、真っ直ぐとかすみを捕らえていた。



「それってさ、マックだった?」
「そうそう。マックだったよ。」
「マックでさ、すっげー大喧嘩してた男のやつ?」
「そう!もしかして、あの時居た?」
「居たっつーか、覚えてない?」
「えー?何を?」
「俺の事。」
「は?俺の?」


かすみも、しばらく彼を真っ直ぐ見て考えた。


「いや、どう見ても今日の今、初めて会った気がするけどな。」
「そいつってさ、キャップ被ってマスクしてなかった?こんな感じで。」


彼は、カバンにあったらしいマスクを取り出して付けて見せた。


「あれっ?何か、その感じなら何と無く覚えてるかも。でもあの時は黒くてドクロ模様が入ったキャップだったような気がするけどなぁ。」
「それ今日洗濯してあるんだよね。」
「え、待って?もしかしてあの時の人だったりする?」
「そうだよ!あの時の俺だよ!」
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