After the rain
こんな事が実際にあるのかと。


思考回路は若干のパニック状態になっていた。


「信じられない。こんな偶然て、本当にあるんだ。」
「いや、ここまで来たらもう偶然とかで片付けられるレベルじゃなくないか?」
「そっか、そうだよね。奇跡的なレベルだ。」


何に導かれて、こんな風に知り合ったのか。
何にも例えがつかない不思議な感じ。


「それにしても、俺って初めっからハードな印象与えてたんじゃない?」


確かに。


あの大雨の中で派手に転んだり、彼女との激しい喧嘩を真横で目撃したり。

「あの喧嘩はマジで恥ずかしかったなぁー。」
「そうだよね。アレは凄かったもん。」
「あそこのマックには一年はもう行けないな。携帯失くした時とか本当にどうしようか困ったもん。」
「お店にまた戻って、しかも探し物しなきゃいけないんだもんね。あたしなら行く勇気無いよ。」
「でしょ?だからさ、わざわざ持って来てくれた時は本当、神様かと思ったよ。」

更に、グッと距離が縮まった気がした。
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