After the rain
その男性は、タクシーから降りると足を怪我しているのかヒョコリと不器用な歩き方を見せた。


タクシーの運転手さんも、すぐには発車せず男性の行方を気にするように扉を開けたまま心配そうにこちらを見ている。



その心配を裏切らないかのように、男性はこの雨の中。


バランスを崩したかのように、アスファルトに派手に転んでしまった。




転がる傘。



「大丈夫ですか?!」


自分が腰が痛いのも忘れて、かすみは男性の元へ駆け寄った。
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