After the rain

「今は？その人、大丈夫なの？そんなお金無くて、ちゃんと生きてるのかな。」
「え？」

陽輔の質問は、予想外だった。

「だって、養育費もギャンブルにつぎ込むくらいでしょ？金銭感覚全く狂ってるよね。そんな人が、ちゃんと生きてるのかなって。」
「どうなんだろう。もうずっと連絡来てないから知らない。」
「そっか。まぁ、元の家族と仲良くしてたなら心配いらないか。」


きっと陽輔は、根が本当に良い人なんだろう。


まさか、あんな男の生存を気に掛けてくれるだなんて。


「まぁ、あれだよ。俺も散々なシーン見られて、かすみちゃんも散々な話聞かせてくれたし。おあいこだね。」
「そうだね！あ、でもちゃんと仲直りした？」
「するわけないじゃん。あのままだよ。あっちからも連絡無いし、こっちからもしてないし。元々さ、別れ話はしてたんだ。」


ここからしばらく、陽輔の散々な話を聞いた。