After the rain
「陽輔くんも、散々だったんだね。」

聞けば、由香里と呼ばれていた女性とはもう二年付き合っていたという。

ブランド品や旅行が大好きで、贅沢三昧な日々だったとか。


かすみ自身も若い頃はブランド品が大好きだったし、底が抜けているかのように遊び回っていた。


「まぁさ、若い頃って誰でもそうだよ。大人になって分かるものなんじゃない?時間の使い方とかお金の使い方とか。」
「そんなもんー?」
「そんなもんだよ。」




そろそろ出ようか、と陽輔が言うので。


まだまだ名残惜しい気もしたけど、席を立った。


「ご馳走様でしたー。」

陽輔は元気良く挨拶をして店を出た。


「あれ?お会計は?」
「ん?もう済んでるよ?」
「ええっ?!いつの間に?」
「まぁまぁ、いつでも良いじゃん。今日は俺が誘ったんだし、ね?」
「本当に?本当に良かったの?」
「うん。」


ヤバイ位に、嬉しかった。
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