After the rain
ホロ酔いなのと、嬉しい気分が混ざり合って。


自分でも驚くほどに、楽しかった。


「送るよ。」


陽輔はそう言うと、かすみと同じ電車に乗り同じ駅で降りた。


「大丈夫?終電まで、あんまり時間無いよ?」
「大丈夫!気にしないでよ。」
「え、でもどうやって帰るの?てか、陽輔くんてどこに住んでるの?」

かすみの質問に対する答えは、意外なものだった。

「え、そこ私が住んでる所から10分くらいで行けちゃうんだけど!」
「そうなんだよね。ちょうど引っ越ししたばっかの時にかすみちゃんのiPhone拾ってあの駅で降りてさ。駅の名前見た時にアレ?とか思って。」
「そうなんだ!これもまたすごい偶然だね!」
「だよね。何か、凄すぎてなかなか言えなかったよ。」

こんなにも素敵な偶然が重なったらもう、運命としか思えなかった。
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